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狭心症・心筋梗塞は生命に関わる重大な病気です。狭心症・心筋梗塞の原因・症状・治療・検査・予防を知っておきましょう!

狭心症・心筋梗塞のカテーテル治療

目次


カテーテル治療は患者の負担が少ない


 カテーテル治療とはカテーテルと呼ばれる直径1.5〜2mmほどの細い管を動脈から入れ、冠動脈内までカテーテルを通した上で直接冠動脈内の血行を改善させる治療法です。

 心臓にメスを入れずに治療が行えるため、患者の負担も少なく、入院期間も数日で済むため、虚血性心疾患の代表的な治療法となっています。狭心症や心筋梗塞に行われるカテーテル治療はPCI(経皮的冠動脈形成術)もしくは冠動脈インターベンションと呼ばれます。

 通常、カテーテルの挿入は局所麻酔をした上で、脚の付け根にある動脈か、肘、もしくは手首の動脈から行われます。以前のカテーテル治療はほとんどの場合で、血管が太くカテーテルが操作しやすい足の付け根から挿入していましたが、止血に時間がかかり痛みもありました。最近ではより細いカテーテルが開発されたため、手首の動脈から挿入することが増えています。

 カテーテル治療の代表的な方法には、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、冠動脈内ステント、経皮経冠動脈血栓溶解療法(PTCR)、大動脈内バルーンパイピング法(IABP)があります。


経皮的冠動脈形成術(PTCA)


 PTCAとは狭心症や心筋梗塞の治療で定着してきたバルーン(風船)療法の代表的なものです。これは先端に小さなバルーンがついたカテーテルを冠動脈まで通し、動脈硬化や血栓によって狭くなっている(狭窄)部位でバルーンに圧力をかけて膨らませ、狭窄部位を内側から広げる治療法です。

 成功率は90%以上とされていますが、治療後6ヶ月以内に再び冠動脈が狭窄してしまうケースが3〜4割ほどあり、その場合には再び治療が必要になってしまいます。

冠動脈内ステント


 PTCAの再狭窄の問題点を改善したのがこの冠動脈内ステントです。これはカテーテルのバルーン部に金属の網でできたステントと呼ばれる筒をつけ、バルーンが膨らんだ際にはステントも広がって血管内を内側から補強する治療法です。

 治療後もステントはそのまま冠動脈内に残って冠動脈の狭窄部位を支えているので、再狭窄が通常のバルーン療法に比べて少ないのが特徴です。この治療法では治療後6ヶ月以内の再狭窄率が15%に下がっています。

 さらに近年では再狭窄を防ぐ薬を塗った特殊なステントが開発され、治療効果を上げています。これは薬剤溶出ステントといい、冠動脈の狭くなった部分にこのステントを置くと、徐々に薬剤が血管に溶け出して再狭窄を防ぐ働きがあります。このステントを用いた治療では、治療後6ヶ月以内の再狭窄率が5%程度に抑えられています。


経皮経冠動脈血栓溶解療法(PTCR)


 PTCRはカテーテルを使って冠動脈内に直接血栓溶解剤を流し込み、血栓を溶かして血流を回復させる治療法で、急性心筋梗塞の治療に用いられています。通常の服薬と違って薬剤を直接患部に流し込むため、即効性と高い有効性が期待できます。治療は冠動脈造影を行いながら心筋梗塞の原因となった冠動脈を特定し、その血管に直接薬剤を注入します。

 急性心筋梗塞の場合は発症後6時間以内にPTCRを行えば成功率は70%以上とされていますが、6時間以上経過してしまうと心筋の壊死によって治療効果はあまり期待できません。そのため、この治療はできるだけ早く行う必要があります。


大動脈内バルーンパイピング法(IABP)


 IABPはカテーテルにつけたバルーンの拡張・収縮によって心臓のポンプ機能を助け、冠動脈の血流を改善する治療法です。カテーテルにつけるバルーンは容量が40ccほどある少し大きめのバルーンで、大動脈内に挿入します。

 そして、左心室が収縮して血液が大動脈に出る時はバルーンをしぼませ、収縮が終わって大動脈弁が閉じた時にバルーンを膨らませるという操作を繰り返します。そうする事で冠動脈に流れ込む血液量が増加し、心臓の働きを助ける効果があります。


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