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狭心症・心筋梗塞は生命に関わる重大な病気です。狭心症・心筋梗塞の原因・症状・治療・検査・予防を知っておきましょう!

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狭心症の症状
知っておくべき6つのポイント

目次


狭心症とは冠動脈の血流不足


 狭心症とは、心臓(心筋)に栄養と酸素を運ぶ冠動脈の内部が狭くなり、心臓への血流が悪くなるために一時的な胸の痛みが起こる状態をいいます。

 冠動脈の内部が狭くなる原因は、コレステロールが血管に沈着することで起きる動脈硬化です。動脈硬化が進行するとコレステロールの塊(粥腫)が血管壁内にでき、これが血管内を圧迫して冠動脈内が狭くなります。

 冠動脈の内腔の75%が狭窄すると、心臓への血流に支障が出るようになるため、一時的な胸の痛みなど自覚症状が現れるようになります。このような胸の痛みを「狭心症発作」といいます。

 狭心症発作はなんの前触れもなく突然に起こります。狭心症の症状は数十秒から数分続き、痛みの強さや持続時間は狭心症の起こる場所や程度によって異なります。狭心症は冠動脈の狭窄の状態や発作の程度によって、細かく分類されています。


徐々に圧迫される胸の痛みが特徴


 狭心症発作で起こる症状は、ほとんどの場合で、胸の中央からみぞおちにかけての広い範囲に胸痛が起こります。痛みは指で示せるような狭い範囲ではなく胸全体に現れます。胸痛の状況として、以下の例があげられます。

息が詰まるような痛み
胸が締めつけられるような痛み
胸が圧迫されるような痛み
胸が痛くて息苦しい

 痛みは体の表面にチクチクやズキンズキンと痛みを感じるものではなく、体の深いところから現れるような感じがします。発作の程度には個人差があり、我慢できる痛みから我慢できない痛みまでさまざまです。

胸以外のいろんな所が痛むこともある


 狭心症発作の原因は心臓で起きていますが、発作の痛みは胸に限らず、上半身のいたる所で感じる事があります。この痛みを「放散痛」といい、みぞおちや肩、腕、首、のど、あご、歯などに痛みを感じることがあります。

 狭心症の症状が胸以外に現れるとは思っていないため、腹痛や虫歯などと勘違いしてしまいがちです。この放散痛は必ず胸の痛みと一緒に起きるわけではなく、放散痛だけ起きる事もあるため注意が必要です。


決まった状況で起きる狭心症の症状


労作性狭心症

 労作時狭心症は、通常よりも身体に負荷がかかった際に心臓への血流が不足することで起こります。運動をしたり、坂道を登ったりすると身体の筋肉はたくさんの酸素を必要とするため、心臓は全身の血流量を増やして酸素をたくさん送り届けようとします。

 しかし、冠動脈が動脈硬化によって狭くなっていると、たくさん動いている心臓に対して十分な血液を送ることができないため、心臓自体が酸欠状態になってしまい、胸痛が起こるようになります。

 そのため、普通に歩いている限りは問題ないのに、階段を上ったり、坂を上ったり、少し駆け足したりする際に決まって狭心症の症状が現れるようになります。


安静時狭心症

 安静時狭心症は、就寝中や安静にしている時に冠動脈の一部がけいれんを起こすことで冠動脈が狭窄し、心臓への血流が不足することで起こる狭心症です。

 このように冠動脈の一部がけいれんする事を「冠れん縮」といい、発作は就寝中の明け方にかけて起こりやすい傾向があります。また、急に体を冷やした時や、お酒の飲んだ後に起こることもあります。


病状の違いによる狭心症の症状


安定狭心症

 安定狭心症とは、狭心症の症状が現れる状況や持続時間、痛みの強さが毎回類似しており、症状の程度が一定の範囲内で治まる狭心症をいいます。

 狭心症は冠動脈内が狭くなることで発症しますが、安定狭心症は冠動脈内を狭くするプラーク(コレステロールの固まり)が崩れにくくなっていることが多く、狭心症の症状が現れるものの、心筋梗塞への移行の可能性は少ない狭心症といえます。


不安定狭心症

 不安定狭心症とは、狭心症の症状が現れる頻度や痛みの強さが一定ではなく、軽い運動や安静時にも発作が起きることがあるなど、症状が不安定な狭心症をいいます。

 不安定狭心症の場合、冠動脈内が狭くなっていることはもちろんのこと、プラークが崩れやすい、血栓ができやすい、冠動脈のけいれんが起きやすいなど、心筋梗塞に移行する可能性の高い狭心症といえます。

狭心症の症状は長くは続かない


 狭心症発作は長く続かないことも特徴のひとつで、発作の持続時間は比較的短く、数十秒から数分間程度がほとんどです。長くても10分程度であり、強い胸痛が15分以上続く場合は心筋梗塞が疑われます。

 狭心症発作は冠動脈が狭くなり、心臓への血流が少なることで起こります。そのため、冠動脈の血流が回復すれば発作症状は治まり、発作時以外に症状が現れる事はありません。


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